福音書対照表 イエスの死・復活


テーマ内容 マタイマルコ ルカヨハネ
安息日前日
最高法院で裁判を受ける  大祭司カイアファの屋敷で裁判を受ける。全員が死刑にしようとしてイエスに不利な証言を求めたが、得られなかった。大祭司がイエスにメシアなのかと問いかけたのに対し、イエスが人の子が神の右に座り、天の雲に囲まれてくるのを見るだろうと答えたため、死刑にしようと決議した。人々はイエスを暴行し、殴ったのは誰か当てて見ろなどと言った。 大祭司の問いにそれはあなたの言った事だと答える。
26:57-68
証言は食い違っていた。大祭司の問いにそうだと答える。
14:53-65
裁判前に見張りが暴行する。夜が明けてから裁判があった。大祭司の問いにわたしが言っても信じないだろう。しかし人の子は神の右に座ると答えた。
22:63-71
大祭司の舅アンナスの屋敷。大祭司の問いに、イエスはわたしが話したことは聞いた人々に聞くが良いと答える。下役がイエス殴ると、悪い事を言ったならそれを証明しなさい。正しいことを言ったならなぜ打つのかと答えた。アンナスはイエスをカイアファの元に送った。(場所の記述混乱)
18:12-14、19-22
ペトロ、イエスを知らないと言う  大祭司の中庭にいたペトロが女中と人々に三度にわたってイエスの仲間であったと言われたが、そんな人は知らないと言った。すると鶏が鳴いた。 呪いの言葉さえ口にして誓ったがイエスの言葉を思い出して、外に出て激しく泣いた。
26:69-75<:/td>
一度目の否定の後に最初の鶏が鳴く。呪いの言葉さえ口にして誓ったが二度目の鳴き声でイエスの言葉を思い出して、いきなり泣きだした。
14:66-72
イエスの言葉を思い出して、外に出て激しく泣いた。
22:54-62
ペトロと大祭司と知り合いのもう一人の弟子。女中、人々とペトロに片耳を切り落とされた人にイエスの仲間だと言われるが、すべて打ち消した。
18:15-18、25-27
ユダ、自殺する  ユダはイエスに有罪の判決が下ったのを知って後悔し、銀貨を祭司長達に返そうとするが受け取られず、銀貨を神殿に投げ込んで首を吊った。投げ込まれた銀貨は血の代金だから神殿の収入にはされず、その金で「血の畑」と呼ばれる「陶器職人の畑」が買われて外国人の墓地となった。 27:3-10


ピラトから尋問される  祭司長たちはイエスを総督ピラトに引き渡した。ピラトはイエスにユダヤ人の王なのかと尋問したが、イエスはそれはあなたの言うことだと答えた。 夜が明けると。ピラトは何も答えないイエスを不思議に思った。
27:11-14
夜が明けると。ピラトは何も答えないイエスを不思議に思った。
15:1-5
ピラトは何の罪も見出せなかったが、祭司長たちは民衆を扇動していると言い張った。
23:1-5
明け方。大祭司たちは汚れないため、官邸には入らなかった。
18:28-38
ヘロデから尋問される  ピラトはイエスをヘロデの元に送った。ヘロデはイエスのしるしを見たいと思っていたので喜んだが、イエスが何も答えなかったので、侮辱して送り返した。この日、敵対していたピラトとヘロデの仲はよくなった。

23:6-12
死刑の判決を受ける  祭りの度ごとに総督は民衆の希望する囚人を一人釈放していた。ピラトはイエスに罪を見出せなかったため、釈放しようとするが、民衆が十字架につけろと叫んだためイエスを鞭打ってから十字架にかけるために引き渡した。 ピラトの妻から、妻が夢で苦しめられたので正しい人に関わらないようにとの伝言があった。
群集が騒動を起こしそうだったため、手を洗ってイエスの血について責任がなく、民衆の問題だと言い、民はその責任は我々と子孫にあると答えた。
27:15-26
祭司長たちはバラバを釈放してもらうように群集を扇動していた。
15:6-15
ピラトはイエスに犯罪を見つけられなかったため三度釈放しようとするが、民衆はイエスの処刑とバラバの解放を要求したため、ピラトはその要求を入れて好きなようにさせた。
23:13-25
ピラトは兵士にイエスに茨の冠と紫の衣を着けさせて平手で打たせて侮辱したが、祭司長たちはまだ十字架につけるように言い、神の子を自称したことは律法では死罪だと述べる。ピラトはイエスを釈放しようと務めるが、ユダヤ人たちが王の自称は皇帝にも背き、ユダヤ人の王は皇帝しかいないと述べたため、ピラトはイエスを引き渡した。
18:38-19:16
兵士から侮辱される  兵士たちはイエスに紫の服と茨の冠を着け、葦の棒を持たせて、「ユダヤ人の王、万歳」と言い、唾を吐き、叩いて侮辱すると、また元の服を着せて連れて行った。 赤い外套。
27:27-31
15:16-20
裁判にかける前に。
19:2-3
十字架につけられる  シモンというキレネ人に十字架を背負わせると、ゴルゴダという所に行った。そして、午前九時頃にイエスを十字架につけると、その服をくじ引きで分け合った。罪状書きには「ユダヤ人の王」と書いてあった。他に二人の強盗がイエスの左右で十字架にかけられた。通りがかった人々や祭司長たちは、イエスを侮辱し、神の子なら自分を救って見せろと言い、一緒に十字架にかけられた者もイエスをののしった。 苦いものを混ぜたぶどう酒を飲ませようとしたが、イエスはなめただけだった。
27:32-44
没薬を混ぜたぶどう酒をのませようとしたが、イエスは受けなかった。
15:1-32
民衆と嘆き悲しむ婦人たちが後に続いたが、イエスはわたしのためではなく、自分と自分の子のために泣くように言った。兵士たちも酸いぶどう酒を突きつけて侮辱した。イエスは、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのですと言った。
犯罪人の一人はイエスをののしったが、もう一人は、自分たちは報いを受けているが、この方は何も悪いことをしていない。御国においでになる時は、わたしを思い出してくださいと言ったので、イエスはあなたは楽園にいると答えた。
23:26-43
自ら十字架を背負って行った。罪状書きは、「ユダヤ人の王」と書いてあったので、祭司長たちは「自称した」と加えるようにと言ったが、ピラトはそのままにするようにと答えた。兵士は服を四つに分け、一枚織りの下着はくじ引きにした。
十字架のそばには、母とその姉妹がいたので、イエスは母と愛する弟子を見て、母を弟子の家に引き取らせた。
19:16-27
イエスの死  十二時頃に暗くなり、三時頃まで続いた。イエスは大声で叫んで息を引き取り、神殿の垂れ幕が二つに裂けた。そばにいた百人隊長は、この人は神の子だったと言った。婦人たちは遠くからそれを見守っていた。 イエスは「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」と叫んだ。
一人が酸いぶどう酒を飲ませようとしたが、他の者はエリヤが救いに来るか見ていようと言った。イエスは再び大声で叫ぶと息を引き取った。神殿の垂れ幕が真っ二つに裂け、地震が起こり、眠りについていた多くの聖なる者たちの体が生き返り、多くの人々に現れた。
イエスに従ってきたマグダラのマリア、ヤコブとヨセフの母マリア、ゼベダイの子らの母がいた。
27:45-56
イエスは「エロイ、エロイ、レマ、サバクタニ」と叫んだ。
ある者がエリヤが降ろしに来るか見ていようと言いながら海綿に酸いぶどう酒を吸わせて飲ませようとしたが、イエスは大声をだして息を引き取った。すると、神殿の垂れ幕が真っ二つに裂けた。
イエスがガリラヤにいた頃から付き従ってきたマグダラのマリア、小ヤコブとヨセの母マリア、サロメたちが見守っていた。
15:33-41
神殿の垂れ幕が裂け、イエスはわたしの霊を御手にゆだねますと叫んだ。百人隊長はこの人は正しい人だったと言って、神を賛美した。見物していた群集も胸を打って帰った。
23:44-49
イエスはすべてのことが成し遂げられたのを知り、渇くと言ったので、人々はぶどう酒を含ませた海綿をヒソプに付けて差し出した。イエスはそれを口に受けると、成し遂げられたと言って息を引き取った。
19:28-31
イエスのわき腹を槍で突く  翌日が安息日だったので、遺体を十字架の上においておかないため、ユダヤ人は足を折って降ろすように願った。兵士は二人の罪人の足を折り、イエスが死んでいるのを見て、わき腹を刺した。すると、そこから血と水が流れ出た。


19:31-37
墓に葬られる  夕方、神の国を待ち望んでいたアリマタヤのヨセフがピラトにイエスの遺体を渡してくれるように願って許されので、遺体を亜麻布で包むと、岩に掘った墓に納めた。 金持ち。自分の新しい墓に納め、入り口に大きな石を転がした。マグダラのマリアともう一人のマリアはそこに残り、墓の方を向いて座っていた。
27:57-61
身分の高い議員。ピラトはイエスがもう死んだのかと不思議に思い、百人隊長に確かめてから下げ渡した。ヨセフは自分の新しい墓に納め、入り口に石を転がした。マグダラのマリアとヨセの母マリアはそこを見つめていた。
15:42-47
同僚に同意しなかった議員。
婦人たちはヨセフの後に着いて行き、墓に納めるのを見届けると、家に帰って香料と香油を準備した。
23:50-56
ユダヤ人を恐れて弟子であることを隠していた議員。
ニコデモが香料を持ってきたので、遺体に添え、近くの園の新しい墓に納めた。
19:38-42
安息日
番兵、墓を見張る  明くる日、祭司長たちファリサイ派は、ピラトの所に集まり、イエスが自分の復活を予告していたことを告げ、弟子が盗み出さないように墓を見張るように願い出る。ピラトが祭司長たちの番兵にやらせるように言ったので、彼らは墓の石に封印をし、番兵を置いた。 27:62-66


安息日翌日
復活する  週の初めの日の明け方、婦人たちが墓に行った。
(マタ12:40では「三日三晩大地の中にいることになる。」とあるが、実際には一日と二晩だけ。アウグスティヌスは足掛け三日と前日の夜を加え、尊者ベーダは受難の前後で昼夜の数え方が逆転した(?)とする。)
マグダラのマリアともう一人のマリア。地震が起こり、天使が石を脇に転がす。天使はイエスは復活した事を告げると、弟子たちにそれを伝えるように言う。婦人たちは恐れながらも喜んで立ち去っていくと、行く手にイエスが現れた。婦人たちが足を抱いてひれ伏すと、イエスは兄弟たちにガリラヤに行くように言いなさいと行った。
28:1-10
マグダラのマリア、ヤコブの母マリア、サロメは香料を買って墓に行くと、石は脇に転がしてあった。墓の中にいた白い長い衣の若者がイエスが復活した事を告げ、弟子たちとペトロに、イエスはガリラヤにいることを告げるようにと言うが、婦人たちは逃げ去り、恐ろしかったのでそのことを誰にも言わなかった。
16:1-8

婦人たちは命じられたことをペトロと仲間に手短に伝え、その後、イエスも彼らを通じて福音を広めた。
マグダラのマリア、ヨハナ、ヤコブの母マリアとその他の婦人たちは準備しておいた香料を持って墓に行くと、石は脇に転がしてあり、遺体は見当たらなかった。輝く衣の二人の人が現れたので、婦人たちは顔を伏せた。二人はイエスが予言の通り復活した事を告げた。婦人たちは十一人と他の弟子に一部始終を伝えた。使徒たちは婦人たちを信じなかったが、ペトロは墓へ走り、亜麻布しか残ってなかったので、驚いて家に帰った。
24:1-12
マグダラのマリアが墓に行くと、石が取り除けてあったので、ペトロとイエスが愛していた弟子の所へ行った。二人は墓に行き、亜麻布が置いてあるのを見ると、家に帰った。
20:1-10
番兵、報告する  婦人たちが着く前に番兵は都へ帰り、祭司長たちに報告した。祭司長たちは兵士に金を与えて、弟子たちが盗んだと言うようにと命じ、兵士たちはその通りにした。 18:11-15


マグダラのマリアに現れる  イエスが最初にマグダラのマリアの前に現れる。
週の初めの日の朝早く、復活してマグダラのマリアの前に現れた。マリアは人々に知らせたが、誰も信じなかった。
16:9-11

マリアが墓の外で泣いていると、遺体の置いてあった所に白い衣を来た二人の天使が見えた。後ろを振り向くとイエスがいるのが見えた。イエスは兄弟たちにわたしは神の所へ上ると言うようにと言い、マリアは弟子たちの所へ行ってそれを伝えた。
20:11-18
二人の弟子に現れる  エマオに向かっていた二人の弟子の前にイエスが現れる。二人はイエスだと分からなかったので、イエスにイエスの処刑と婦人たちがイエスの遺体が無くなったことなどを説明した。イエスは心が鈍い者達といって、自分について書かれている事を説明した。二人は日が傾いていたのでエマオの村にイエスを誘い、食事の席でパンをイエスから与えられると、それがイエスだと分かったが、その姿は見えなくなった。すぐにエルサレムに戻ると、弟子たちが主がシモンに現れたと話していたので、二人も起こったことを話した。

24:13-35田舎の方に向かう二人の弟子に別の姿で現れ、二人も残りの人に知らせたが、彼らは二人の事も信じなかった。
16:12-13
弟子たちに現れる  イエスが弟子たちの真ん中に現れる。

イエスが彼らの真ん中に現れた。弟子たちは亡霊を見ているのだと思ったが、イエスは肉も骨もあると言って手足を見せ、焼いた魚を持ってこさせて食べた。そして聖書を悟らせる為に彼らの心の目を開くと、父が約束されたものを送る。高いところからの力に覆われるまでは都にいるようにと告げた。
24:36-48
週の初めの日の夕方。鍵をかけた部屋にイエスが現れて、手とわき腹を見せた。そして、父がわたしを遣わしたように、わたしもあなたがたを遣わす。と言って、息を吹きかけ、聖霊を受けなさい。誰の罪でも、あなた方が許せば赦され、赦さなければ残ると言った。
20:19-23
イエスとトマス  イエスが弟子たちに現れた時、トマスはいなかったので、トマスはイエスの傷跡を見て手を入れてみなければ信じないと言った。八日後、また鍵をかけた部屋の中にイエスは現れ、トマスに手を見て、わき腹に手を入れ、信じる者になるようにと言った。それを主と認めたトマスに、イエスは見ないのに信じる者は幸いだと言った。


20:24-29
イエス、七人の弟子に現れる  その後、弟子たちが漁に出たが魚は取れなかった。イエスが岸に立っていたが、弟子たちはイエスだと分からなかった。イエスの言う通りにすると、魚が引き上げられないほど取れたので、イエスが愛していた弟子が主だと言い、ペトロは湖に飛び込む。陸でイエスが朝の食事をするように言って、パンと魚を与えた。


21:1-13
イエスとペトロ  食事が終わるとイエスはペトロに三度わたしを愛しているかと問い、ペトロは三度答え、イエスはその都度羊を飼って世話をするようにと言った。そして、あなたは若い時は自分の行きたい所へ行ったが、年を取ると行きたくない所へ連れて行かれると言って、ペトロの死に方を示そうとした。また、わたしに従いなさいと言った。


21:15-19
弟子たちを派遣する  イエスは弟子たちに、行って全世界に福音を伝えるように命じた。 十一人の弟子は指示されたガリラヤの山に登った。イエスが現れたが、疑う者もいた。イエスはすべての民を弟子にし、父と子と聖霊の名において洗礼を授けて命じた事を守るようにと告げ、わたしは世の終わりまで、いつも共にあると言った。
28:16-20
その後、十一人が食事をしているときにイエスが現れ、イエスを見た人の言う事を信じなかった彼らの不信仰をとがめた。そして、全世界に福音を宣べ伝えるように命じ、信じる者は悪霊を追い出し、新しい言葉を語り、毒を受けず、病人を癒すとも言った。
16:14-18


天に上げられる  イエスは弟子たちに話をした後、天に上げられた。
イエスは弟子たちに話した後、天に上げられて神の右の座に着いた。弟子たちは出かけて宣教し、主は彼らとともに働いて、彼らの言葉が真実であることをしるしによって示した。
16:19-20
イエスは彼らをベタニアまで連れて行って祝福しながら、彼らを離れて天に上げられた。彼らはイエスを伏し拝んだ後、エルサレムの神殿の境内で神をほめたたえた。
24:50-53

テーマ内容 マタイマルコ ルカヨハネ


(1) メモ

ユダヤ・キリスト教> イエスの生涯1
イエスの生涯2
イエスの教え
奇跡
たとえ話
イエスの生涯3
エルサレム
最後の晩餐
イエスの死・復活