43 ケレオレス遺跡


(歩いてくるゼーダ、マーリ、ボルドウィン)
妖星のゼーダ
「感じる…、感じるわ……
 次第に強くなっておる。
「我らと、同族の波動……
 大いなる女神の…
 我らが女神の力じゃ!!
(ゼーダが振りかえる)
妖星のゼーダ
「ボルドウィン、お主も
 感じているであろう?
「…目覚めは近いぞ!
冥煌騎士ボルドウィン
「本当にこの小娘は、ダニカ神を
 目覚めさせる事が出来るのか?
(マーリがゼーダの傍による)
侍女マーリ
「………。

妖星のゼーダ
「お前達はその“小娘”のせいで
 痛い目に遭ったのじゃろう?
冥煌騎士ボルドウィン
「フンッ!

(ゼーダ)
「ヒッヒッヒッ…。
 心配せんで良い。この者の心は
 壊れてしまったよ。
「愛する者を失い、
 絶望で心を閉ざしてしまった。
 おかげで儂の思いのまま…
「今ではただの操り人形じゃよ。


(兵士がかけよって来て、跪く)
光焔十字軍兵士
「蒼天騎士団が、
 近付いています。
「まもなく、
 我が軍と接触します。

冥煌騎士ボルドウィン
「クソッ、あの小僧…!
 忌々しい!!
(ボルドウィンと兵士が走り去る)
妖星のゼーダ
「早く目覚めたいのですな、
 …ダニカ様。
「お待ち下され、
 すぐに儂が参りまする。

(ゼーダの手に闇の力で剣が生まれる)
妖星のゼーダ
「さあ、この神剣で我らの
 女神をお呼びするのだ。
(ゼーダがマーリに剣を渡す)
侍女マーリ
「………。

妖星のゼーダ
「どうしたマーリ?
 …出来ぬと言うのか?
「馬鹿なッ、そんな筈は無い!
 お前が知らずとも、お前の血は
 知っているであろう?
「あの方より受け継いだ魔力が…
 神と魔の知識が、
 全てを知っている筈だッ!
「…神々と交わる為の言葉を!


侍女マーリ
「知らないわ。

妖星のゼーダ
「なッ、なぜだッ!?
 ……お前の心は儂が…
侍女マーリ
「知っていても、そんな事
 するものですか!
「もう…、もうこれ以上、
 あなた達の好きには
 させない!!
妖星のゼーダ
「…お前に全てを教えてやろう。
 よく聞けッ、マーリ!
「全て我々の為ではない…
 お前は、己の父の為に行動して
 いるのだッ!
侍女マーリ
「何を言っているの?
 私には父親など…
妖星のゼーダ
「お前がこの世に生を受けた事、
 ユミルへの想い、そして…
「今ここにいる事。
 これらは全て、お前の父が…
 お前の父が望んだ事だッ!
「ゼテギネア大陸一の賢者と
 言われたお前の父が、お前の為
 に用意した運命…
「お前に与えられた運命なのだ。
 分かったな、マーリ…。
 …従うのだッ、己の運命にッ!
侍女マーリ
「私の…
 ユミル様への想いが…
「この想いが誰かに用意された
 ものだと言うのッ!?

妖星のゼーダ
「その通りだ。
 …分かっただろうマーリ?
「ユミルの運命も、
 ユミルがお前を愛した事も、
 全て用意されたものだ…。
「逆らうでない…
 …………己の運命に……。

(マーリがゼーダをさす)
侍女マーリ
「はあッ、はあッ…

妖星のゼーダ
「ば………
 ……馬鹿な…
(マーリがゲートに向かう)
侍女マーリ
「ユミル…
 …さ…ま…?
「ユミル……
 …ユミルッ!
 ユミル様ぁ…!!
侍女マーリ
「返してッ!
 ユミル様を返してッ!!
(マーリが剣を地面付きたてる)
(何度もさすとそこに傷が出来る。マーリが少し下がって崩れ落ちる)
侍女マーリ
「誰か…、ユミルを…
 返して…よぉ……
(地面の傷から蒼い光が出て、傷が消え、上に蒼い光からなに者かが現れる)


(作戦会議室)
軍師ヒューゴー
「おそらくは、これが最後の
 戦いとなるじゃろう。
「マグナスよ…
 自分に負けてはいかんぞ。



それでは説明を始めるぞ。


今回は、南西に位置する『ムースニー』を
本拠地として行動することになる。

目標となるのは、本拠地から北東に向かって
約2日の距離にある『ケレオレス遺跡』じゃ。

この遺跡を制圧し、
ダニカ神の復活を阻止することが、
今作戦の目的となる。

この戦いの結果が、
世界の未来を決すると言っても過言ではない。
…ただ全力を尽くすのみじゃ。


マグナス
「本当に…
 これが最後の戦いなのか?
「ダニカ神の復活を…
 ローディスの企みを阻止したら
 この戦いは終わるのか?
軍師ヒューゴー
「マグナス…。

マグナス
「俺は最近よく考えるんだ。
 ……もしかしたら…
「俺が、俺達が戦火を拡大して
 いるんじゃないかって…。

「俺がユミルを…
 この国を戦いに巻き込んだん
 じゃないかって…
「なぁヒューゴー、
 俺が今迄に歩んで来た道は、
 俺の取った行動は、
「本当に正しかったのか?


軍師ヒューゴー
「お前が自分の生き方を否定して
 どうする?
「お前は多くの者を指揮して来た
 のじゃぞ。敵対する者達を
 倒して来たのじゃ。
「反省する事は悪い事ではない。
 …しかし後悔してどうする?

「一所懸命頑張ったではないか。
 皆それを知っている。
 …だからついて来たのじゃ。
「お前が悩むのも分かるが、
 全ての物事に答えが有る訳では
 ないぞ。…気にするな。
軍師ヒューゴー
「前を見ろ。胸を張れ。
 …さぁ、行くぞ。
■MissionStart

□ナタシュクアン
老人
「おお、そうじゃ、そうじゃ!
 思い出したぞ、アンタ!!
「ここの遺跡は、ダニカ遺跡とも
 呼ばれてたんじゃ。ダニカ神を
 封じているという話じゃが?


□僻土ドルボー
老人
「…魔界の女王の復活じゃと?
 この大地に目覚めるのか?
「魔界の住人の目的といえば、
 …ただひとつ。

「オウガバトル…。


「神話の時代の遺恨を、
 今…晴らそうというのか!?



□ミンガンの町
酒場のマスター
「なあ、革命軍の人たちだろ?
 ちょっと聞いてくれよ!
「変なローブ被った婆さんがな、
 女の子を連れて遺跡の方へ
 向かってったんだよ!!
「引き止めようとした奴なんか、
 石にされちまった。
 …アイツら絶対おかしいぜ!


□エスカナバ
(金) 少女
「魔界の女王が復活したら、
 この国はどうなってしまうの?
「ねえ…そんなものを復活させて
 どうする気なの? お願い!
 何があっても止めてよね!!
□山間の町ジブサンビル
(藍) 年輩の男性
「なんだい、なんだい、みんなして。
 何故みんな集まってくるんだい?
「ん? …魔界の女王が眠っている!?
 ちょっと待て。
 この土地に眠ってるっていうのか!?


□教示の地タナナ
シスター
「魔界の女王ダニカ? バーサ神と
 古の王との間に生まれたという、
「ダニカ様の事ですか?
 …そんな、彼女もまた豊穣の女神。
 何故、魔界の女王などに!?


□バレラ
(藍) 年輩の女性
「…ちょっと待っておくれよ、

「ダニカ様って、そんなに悪い神様
 なのかい? …だってバーサ様の
 御息女だろう?
「何か訳があるのかも知れないよ。
 確かに今は、あたし達が生き残る
 ことが先決だけどね。


□ケレオレス遺跡
冥煌騎士ボルドウィン
「…おのれ蒼天騎士団共ッ、
 まだ邪魔するか!

「あなた達の企みもここ迄よ。
 ダニカ神の復活はさせない!

「貴様等の企みもこれ迄だ。
 ダニカ神の復活はさせない!
冥煌騎士ボルドウィン
「ダニカなどどうでもいい。
 勘違いするなッ!
「俺が封印を解くのは
 ダニカから祝福を得る為、
 究極の力を得る為だ!
「そして俺は…、神を殺す。
 …ダニカを殺す。

「あなたは魔界の女王まで、
 利用する気なの?
「ダニカ神を殺すなんて…
 本気なのッ!?

「お前は魔界の女王まで、
 利用する気か?
「ダニカ神を殺すだと…?
 本気なのかッ!?
冥煌騎士ボルドウィン
「…所詮、ダニカは半神。
 不死では無い筈。
「俺の名は伝説に…
 そして神の名となるのだ。
男女
「人間は神にはなれない。
 ……究極の力は…
(女)
「人間が手にして良いもの
 ではないわッ!
 世界に混乱を生むだけよ。
(男)
「人間が手にして
 良いものではないッ!
 世界に混乱を生むだけだ。
冥煌騎士ボルドウィン
「分かっていないな。
 …混乱を無くす為の究極の力。
「…どうあがいてもかなわぬもの。
 それに対峙した時、
 民は神の存在を確信する。
「俺は究極の力を手にし、
 人を…、魔を超越する者となる。
 それこそが神なのだッ!
「昔から、英雄や神の誕生とは
 こういうものだったのだろうな。

「…感謝するがいいッ!
 貴様等は英雄誕生の礎となる。

Fight


>マグナス
マグナス
「貴様等さえいなければ、
 こんな事にはならなかった。
「もうやめてくれッ!
 これ以上憎しみを…、悲しみを
 生み出さないでくれ!
「…もう十分だッ!


冥煌騎士ボルドウィン
「目的も果たせぬままに、
 貴様は何を止めろと言うのだ。
「この地とダニカに施された封印は
 まもなく解かれるのだ。
 最早、後戻りなど出来んのだよ。
「魔界の者と通じ、この手で兄をも
 殺めた俺には戻る所など無い。
 …俺は究極の力が欲しいのだ!
「本国の連中に異端と呼ばれようと、
 究極の力が手に出来るならば
 それでいい。
「亡き父とタムズ達が築いた
 冥煌騎士団の地位を取り戻すのだ!

マグナス
「そんな事の為に…、この国を?
 …ユミルを苦しめたのかッ!
冥煌騎士ボルドウィン
「弱者のたわ言など聞く気は無い!
 …自身の力でそれを語ってみろッ!
Fight

冥煌騎士ボルドウィン
「クッ…ウゥ…
 …究極の力は…渡さんぞ…
(ボルドウィンが消える)


(倒れているゼーダと、座りこんでいるマーリ。そこにボルドウィンが現れる)
冥煌騎士ボルドウィン
「…クソ…クソッ、クソッ!
 …後、少しだ…。
「早く、究極の力を…
 …ん!?

(振りかえると、ゼーダがゴーゴンに姿を変え、頭を上げる)
妖星のゼーダ(顔は同じ)
「うううう…
 まもなクじゃ…(ママ)
「まもな…ダニカ様が…
 …ついニ…我ラの世…
 界…め…ガミ……
(ゴーゴンが倒れて解けるように消える)
侍女マーリ
「あなたは、
 ……誰…?
(ゲートの上にダニカがいる。ボルドウィンが駆け寄る)
冥煌騎士ボルドウィン
「…小娘がぁッ!
 お前には渡さぬぞ!
「究極の力は俺のものだ!


(剣を抜き、マーリを打ち払う)
侍女マーリ
「ああ…
 …ユ…ミ……
(マーリが倒れる)
冥煌騎士ボルドウィン
「おぉッ、ダニカ神よ!!
 …封印を解きし我に祝福を!
「究極の力をッ!!


(マグナスが来る)
マグナス
「駄目だッ!
 …やめろーッ!
(ダニカの力でボルドウィンが弾かれる。マグナスが歩み寄る)
マグナス
「……!?
 …ユミル?
マグナス
「違う…、ユミルじゃない…
 …何者だあなたは!?
(ダニカがマグナスによる)
半神ダニカ
「私はダニカ。
 人の王と、大地神の娘…
「古の頃、この地に住む人々に
 豊穣の女神と呼ばれていた事
 を覚えています…。
マグナス
「…ダニカ、
 魔界の…女王…。
半神ダニカ
「…あなたも…
 私をそう呼ぶのですね…
半神ダニカ
「私は、あなたを知っています。
 …多くではありません。
「私の中に、あなたを知る
 もう一人の“私”がいるのです。

マグナス
「その髪の色…
 ……その瞳の色…
「あなたは…
 あなたはユミルなのか?

半神ダニカ
「全て…、私の過ちから始まった
 事なのです。
「魔界の王デムンザの甘言にのり、
 魔界の果実を口にした私は、
 母の手で封印されました。
「冥き心に染まる事など無い様、
 心と体を分けられ、
 永き眠りに就いたのです。
「目覚めの時は来ない筈でした。
 誰かが望まぬ限り…

「私が“神”として復活する事を
 望まぬ限り、目覚めぬ筈でした。

半神ダニカ
「私の力を求める者、その者の心が
 私を眠りから覚ましたのです。
「……『力が欲しい』…
 その者は、愛する者を守る為、
 ただ純粋に力を求めたのです。
「私は、その者に祝福を…
 その者に力を与えました。
 …そして、代償を求めました。
「私の完全なる目覚めの為…
 『器』を差し出すようにと…。

マグナス
「…器?

半神ダニカ
「その者の想いに触れた私は…
 孤独に気付いてしまいました。
「そして、寂しさに心を支配されて
 しまった。私は一人である事に
 耐えられなかった…。
「自らの復活を望んだ私は、
 心の依代となる器を差し出す事を
 要求したのです。
「契約の後…
 力を手にした者がどうなったのか
 私は何も知りません。
「ただ…、あなたの心の中にいる
 少年がその器……
 契約の子だったのです。
半神ダニカ
「契約の証である剣はその血を認め、
 私の分身達は彼に従いました。
「そして彼の心が私の下へ戻った時、
 私は彼の心を知りました。
 …深い悲しみを知ったのです。
「…目覚めたくはなかった。
 こんなにも悲しい気持ちが溢れ…
 彼は…、彼はたった一人で……
(ボルドウィンが起き上がる)
冥煌騎士ボルドウィン
「クソッ…何故だ…こ…んなところ
 で…終わるのか……!?
「認めぬ…俺は認めぬ…恨…を…
 俺は……ヤツを…世…ノ……

(ダニカが苦しみ出す)
半神ダニカ
「ああああああッ!!

冥煌騎士ボルドウィン
「女神よ……俺に力…を
 ……慈悲ヲ……
(ダニカの体が闇の炎に包まれる)
(下に青いゲートが生まれ、周囲から何かが吸いこまれるように蒼い光が吸いこまれて行く。)

俺は認めぬッ!
力は俺のものだッ!

神と一体に!
おぉッ、これこそ究極の力!

我等の…世界を…
この…大地…に……

私は…何を…
…たし…の…来た事…

…いけな……い
…お前…は…覚め…い……

…俺は……
認めて…欲し…た…

…愚か者共め…
全ては……計…

私は…
…この…まま……った…

……契約の…時…
…我こそ…が……

……兄さん…
兄さ…ん……兄……さ……

…何…故…だ
…血を継ぐ…の…は…

…怖かっ…た
私……こわ…か……

あぁ…
…私も…一緒…に…

…殺ッ…
…呪…殺……全…

…俺は兄さんに……
認……欲し……

…私の…
…計画……通…

逃げてッ!
マグナス!!

イヤァァァッ!!!

…冥い心に…
支配…さ…な………い…………
(下の門から蒼い光が溢れ、爆発と同時に植物の触手が生まれる)
(目の前に、ダニカが登場)
…全テ…ノ……生ア…ル…者……ヨ…
…我ヲ……ア…ガメ……ヨ……

(ダニカ登場)
マグナス
「何故だ、遅かったのか!?
 ……クソッ!!



>エウロペア
戦闘後
冥煌騎士ボルドウィン
「クッ…ウゥ…
 …究極の力は…渡さんぞ…
(ボルドウィンが消える)


(倒れているゼーダと、座りこんでいるマーリ。そこにボルドウィンが現れる)
冥煌騎士ボルドウィン
「…クソ…クソッ、クソッ!
 …後、少しだ…。
「早く、究極の力を…
 …ん!?

(振りかえると、ゼーダがゴーゴンに姿を変え、頭を上げる)
妖星のゼーダ(顔は同じ)
「うううう…
 まもなクじゃ…(ママ)
「まもな…ダニカ様が…
 …ついニ…我ラの世…
 界…め…ガミ……
(ゴーゴンが倒れて解けるように消える)
侍女マーリ
「あなたは、
 ……誰…?
(ゲートの上にダニカがいる。ボルドウィンが駆け寄る)
冥煌騎士ボルドウィン
「…小娘がぁッ!
 お前には渡さぬぞ!
「究極の力は俺のものだ!


(剣を抜き、マーリを打ち払う)
侍女マーリ
「ああ…
 …ユ…ミ……
(マーリが倒れる)
冥煌騎士ボルドウィン
「おぉッ、ダニカ神よ!!
 …封印を解きし我に祝福を!
「究極の力をッ!!


(ダニカの力でボルドウィンが弾かれる。エウロペアが駆け寄ってくる)
星辰の騎士エウロペア
「……!?
 …これは一体!?
星辰の騎士エウロペア
「…あなたは、
 ……何者なのですか…?
半神ダニカ
「私はダニカ。
 人の王と、大地神の娘…
「古の頃、この地に住む人々に
 豊穣の女神と呼ばれていた事
 を覚えています…。
星辰の騎士エウロペア
「我が神バーサ様の
 ……御息女…
「そして…
 魔界の…女王……

半神ダニカ
「星宿に導かれし人の子よ…
 あなたも私をそう呼ぶのですね…。
星辰の騎士エウロペア
「…違うのですか?

半神ダニカ
「全て…、私の過ちから始まった
 事なのです。
「魔界の王デムンザの甘言にのり、
 魔界の果実を口にした私は、
 母の手で封印されました。
「冥き心に染まる事など無い様、
 心と体を分けられ、
 永き眠りに就いたのです。
「目覚めの時は来ない筈でした。
 誰かが望まぬ限り…

「私が“神”として復活する事を
 望まぬ限り、目覚めぬ筈でした。

半神ダニカ
「私の力を求める者、その者の心が
 私を眠りから覚ましたのです。
「……『力が欲しい』…
 その者は、愛する者を守る為、
 ただ純粋に力を求めたのです。
「私は、その者に祝福を…
 その者に力を与えました。
 …そして、代償を求めました。
「私の完全なる目覚めの為…
 『器』を差し出すようにと…。

星辰の騎士エウロペア
「…器ですって?

半神ダニカ
「その者の想いに触れた私は…
 孤独に気付いてしまいました。
「そして、寂しさに心を支配されて
 しまった。私は一人である事に
 耐えられなかった…。
「自らの復活を望んだ私は、
 心の依代となる器を差し出す事を
 要求したのです。
「契約の後…
 力を手にした者がどうなったのか
 私は何も知りません。
「ただ…、この国の王の子として
 生を受けた少年がその器……
 契約の子だったのです。
半神ダニカ
「契約の証である剣はその血を認め、
 私の分身は彼に従いました。
「そして彼の心が私の下へ戻った時、
 私は彼の心を知りました。
 …深い悲しみを知ったのです。
「…目覚めたくはなかった。
 こんなにも悲しい気持ちが溢れ…
 彼は…、彼はたった一人で……
(ボルドウィンが起き上がる)
冥煌騎士ボルドウィン
「クソッ…何故だ…こ…んなところ
 で…終わるのか……!?
「認めぬ…俺は認めぬ…恨…を…
 俺は……ヤツを…世…ノ…

(ダニカが苦しみ出し、後光が消える)
半神ダニカ
「ああああああッ!!

冥煌騎士ボルドウィン
「女神よ……俺に力…を
 ……慈悲ヲ……
(ボルドウィンが再び倒れる)
(ダニカの体が闇の炎に包まれる)
(下に青いゲートが生まれ、周囲から何かが吸いこまれるように蒼い光が吸いこまれて行く。)

俺は認めぬッ!
力は俺のものだッ!

神と一体に!
おぉッ、これこそ究極の力!

我等の…世界を…
この…大地…に……

私は…何を…
…たし…の…来た事…

…いけな……い
…お前…は…覚め…い……

…俺は……
認めて…欲し…た…

…愚か者共め…
全ては……計…

私は…
…この…まま……った…

……契約の…時…
…我こそ…が……

……兄さん…
兄さ…ん……兄……さ……

…何…故…だ
…血を継ぐ…の…は…

…怖かっ…た
私……こわ…か……

あぁ…
…私も…一緒…に…

…殺ッ…
…呪…殺……全…

…俺は兄さんに……
認……欲し……

…私の…
…計画……通…

…駄目!
…逃げて!!

イヤァァァッ!!!

…冥い心に…
支配…さ…な………い…………
(下の門から蒼い光が溢れ、爆発と同時に植物の触手が生まれる)
(目の前に、ダニカが登場)
…全テ…ノ……生ア…ル…者……ヨ…
…我ヲ……ア…ガメ……ヨ……

星辰の騎士エウロペア
「…遅かったと言うの!?
 ……あぁッダニカ様…。
Fight



>一般男性
(座りこんだマーリの前にダニカが現れる)
侍女マーリ
「あなたは…誰なの……?
 …ユミル様……?
「違う…、ユミル様じゃない。
 何者なの、あなたは…?

半神ダニカ
「私はダニカ。
 人の王と、大地神の娘…
「古の頃、この地に住む人々に
 豊穣の女神と呼ばれていた事
 を覚えています…。
侍女マーリ
「…ダニカ、
 魔界の…女王…。
「…返して。
 ユミル様を返してッ!
 あなたのせいよ……
半神ダニカ
「私は、あなたを知っています。
 …多くではありません。
「私の中に、あなたを知る
 もう一人の“私”がいるのです。

半神ダニカ
「ごめんなさい。全ては私の過ち
 から始まった事なのです。
「魔界の王デムンザの甘言にのり、
 魔界の果実を口にした私は、
 母の手で封印されました。
「冥き心に染まる事など無い様、
 心と体を分けられ、
 永き眠りに就いたのです。
「目覚めの時は来ない筈でした。
 誰かが望まぬ限り…

「私が“神”として復活する事を
 望まぬ限り、目覚めぬ筈でした。

半神ダニカ
「私の力を求める者、その者の心が
 私を眠りから覚ましたのです。
「……『力が欲しい』…
 その者は、愛する者を守る為、
 ただ純粋に力を求めたのです。
「私は、その者に祝福を…
 その者に力を与えました。
 …そして、代償を求めました。
「私の完全なる目覚めの為…
 『器』を差し出すようにと…。

半神ダニカ
「その者の想いに触れた私は…
 孤独に気付いてしまいました。
「そして、寂しさに心を支配されて
 しまった。私は一人である事に
 耐えられなかった…。
「自らの復活を望んだ私は、
 心の依代となる器を差し出す事を
 要求したのです。
「契約の後…
 力を手にした者がどうなったのか
 私は何も知りません。
「ただ…、あなたの心の中にいる
 少年がその器……
 契約の子だったのです。
半神ダニカ
「契約の証である剣はその血を認め、
 私の分身は彼に従いました。
「そして彼の心が私の下へ戻った時、
 私は彼の心を知りました。
 …深い悲しみを知ったのです。
「…目覚めたくはなかった。
 こんなにも悲しい気持ちが溢れ…
 彼は…、彼はたった一人で……
(ボルドウィンが現れる)
冥煌騎士ボルドウィン
「…クソ…クソッ、クソッ!
 …後、少しだ…。
「早く、究極の力を…
 …ん!?

(倒れていたゼーダの姿がゴーゴンに変わり、頭を上げる)
妖星のゼーダ
「うううう…
 ダニ……カ…様……
「…ついニ…我ラの世…
 界…め…ガミ……

(ゴーゴンが倒れて解けるように消える)
侍女マーリ
「神様なのでしょう!?
 だったらどうして…
(ボルドウィンがダニカとマーリに駆け寄る)
冥煌騎士ボルドウィン
「…小娘がぁッ!
 お前には渡さぬぞ!
「究極の力は俺のものだ!


(剣を抜き、マーリを打ち払う)
(マーリが倒れる)
冥煌騎士ボルドウィン
「おぉッ、ダニカ神よ!!
 …封印を解きし我に祝福を!
「究極の力をッ!!


(ダニカの力でボルドウィンが弾かれる。)
半神ダニカ
「何故こんなに悲しみが…
 ……やはり私は魔界の…
(ボルドウィンが起き上がる)
冥煌騎士ボルドウィン
「クソッ…何故だ…こ…んなところ
 で…終わるのか……!?
「認めぬ…俺は認めぬ…恨…を…
 俺は……ヤツを…世…ノ……

(後光が消え、ダニカが苦しみ出す)
半神ダニカ
「ああああああッ!!
冥煌騎士ボルドウィン
「女神よ……俺に力…を
 ……慈悲ヲ……
(ダニカの体が闇の炎に包まれる)
俺は認めぬッ!以降セリフは同じ
(下の門から蒼い光が溢れ、爆発と同時に植物の触手が生まれる)
(目の前に、ダニカが登場)

…全テ…ノ……生ア…ル…者……ヨ…
…我ヲ……ア…ガメ……ヨ……

一般男性
「これがダニカ神?
 …遅かったというのか?
「魔界の女王が復活したのか?


■戦闘後
(ダニカの残骸の前で向かい合うダニカとマグナス)
半神ダニカ
「…ありがとう。若き人の子よ。
 私を止めてくれた事、感謝します。
マグナス
「待ってくれ。
 一つだけ教えてくれ…
「やはりあなたは…
 あなたは魔界の女王なのか?
 
半神ダニカ
「私の心には聖と邪が、
 …その両方が存在しています。
「そして、神でもあり人間でもある私は
 常に揺れ動く存在なのです。
 
「…その心が憎しみに染まれば
 魔界の女王となり、心穏やかなれば
 豊穣の神となる。
「私がどちらに変化するのか…
 それは全てこの世界を包む意識が
 決定するのです。
半神ダニカ
「気付きませんか…?
 私はあなた達と同じなのですよ。
マグナス
「……暗黒道…
半神ダニカ
「あなた達人間と、魔界の住人達…
 その祖は同じなのです。
「豊かな大地で生きる人間と、
 高配した大地で憎しみに支配され
 生きるオウガ…。
「違いはただ、それだけなのです。
 そしてあなた達は、
 私以上に不安定な存在……
「人間であり、オウガでもある。
 だから、魔界の者が現れなくとも
 オウガバトルは起き得る…
「あなた達、人間同士が争い…
 ……憎しみ合う事で…
 
半神ダニカ
「若き人の子よ…、ユミルが私の器と
 なったのは偶然ではありません。
(残骸が消え、カオスゲートになっている。)
「全ては何者かが…、強大な力を持つ
 何者かが仕組んだことなのです。
 
「……気をつけなさい…
 その者が…、混乱を生む者が…
 この大地に産まれ落ちました。
「…オウガバトルは避けられません。
 
  半神ダニカ
「気をつけなさい…
 ……若き人の子よ…
(ダニカはゆっくりと浮き上がると、姿を消した。)


さようなら…、マグナス


■クリア後 周辺探索不可。



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