ユダ・タダイ (Thaddaeus)
(?~70年頃)
十二使徒。『マタイ』『マルコ』ではタダイ、『ルカ』『使徒』ではヤコブの子ユダと呼ばれる他、レバイオス、レバイと呼ぶタダイとも記されているようだ。レバイともタダイとも呼ばれたヤコブの子ユダがイスカリオテのユダと同名であるのを避けて記されていると考えられる。 イスカリオテでない方のユダとして、「主よ、わたしたちには御自分を現そうとなさるのに、世にはそうなさらないのは、なぜでしょうか。」と問い掛けている。(ヨハ14:22) その後、故郷でもある小アジアのエデッサに伝道し、シモンと共にペルシアで殉教したと伝えられる。 (1) タダイは、テオドロス、テオドシウスなどの短縮形。 (2) 聖書中の『ユダの手紙』の著者は、タダイともイエスの兄弟ユダ(マコ6:3)とも云われるが、いずれにせよ後世に偽名で書かれたもののようだ。 (3) 伝説によれば、イエスのうわさを聞きつけたエデッサのアブガル王がイエスを招き、イエスの死後に訪れたタダイがアブガル王の麻痺を癒したとも伝えられる。その際に持参した聖骸布はマンディリオンとしてその後もエデッサの城壁の中に封印されていたとも云われるが…。 (4) 祝日は10月28日(シモンと同じ)。 |